暑くなってきました。
最近は5月、6月の忙しさもやっと落ち着いた感じです。
「遺留分」についてですが、通常の相続ではあまり問題に
なりません。
というか、知らないという方が多いのではないのでしょうか。

遺留分は、簡単に言うと
「兄弟以外の相続人が持つ、最低限の相続分」
というものです。

まだ分かりにくいと思うので、例を挙げると、
子供が1人いる夫婦がいるとします。
夫名義の家、貯金が1000万円あります。
夫が、「愛人に財産全てをあげる」、という遺言を遺して亡くなった場合、
日本では本人の意思が優先されるということで、
子の遺言が、奥さんや子供の相続に優先してしまいます。
家族に財産が相続されないんです。

奥さんが専業主婦だった場合、住む家も、
生活するためのお金も無くなってしまうのは
困るということでこの遺留分という権利があります。

親や祖父母は相続全体の3分の1、妻や子供(孫なども)は
2分の1が遺留分全体の権利となり、相続人が複数いる場合は、
さらにその中から法律で決められた相続分割合が個人の遺留分になります。
(さらに詳細に決まっていますが簡単に言うとということで)

先程の例だと、遺留分全体の権利は2分の1、
妻と子供の法定相続分は各2分の1なので、
各4分の1が遺留分になります。

家の名義は妻と子供が持分4分の1ずつを取得し、
お金はそれぞれが250万円ずつもらえるということです。

なお、遺留分は「請求して初めてもらえる権利」なので、
請求しなければ全て愛人のものになります。

請求できる期間もあるので注意が必要です。

 

さて、先日遺留分の案件がありましたが、
遺言を作った弁護士の先生、認証した公証人の先生が
遺留分について(たぶん)まちがった説明をされていて、
まず最初に誤解を解くことから始まるということがありました。

簡潔に言うと、妻と兄弟が相続人という場合、
兄弟は遺留分権利者ではないので、
遺留分は妻のみなんですね。なので、
2分の1が遺留分でした。
妻の法定相続分4分の3は考慮する必要がないのですが、
これを計算に入れて(8分の3)いたのです。
専門家でもここはすごく間違えやすいところなので
注意が必要です。

わかりにくい話なのですが、実務での算定はとても複雑です。
これだけで1冊の本になっていて、たくさん出版されています。

とりあえず、家族は(原則)最低限なにか相続できるものがある、
遺贈を受けた側は、遺言の額面通りに受け取れない場合がある、
とういことは知っていてもいいと思います。